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歯ぎしりの語源

歯ぎしりは英語でブラキシズムと言います。語源はフランス語の『La Bruxomanie』と言われており、その意味は『こすり合わせる』ことだそうです。

歯科医院では『歯ぎしり』と説明することから、いわゆる「歯をガリガリと摺り合わせる」ことだと思っている方が多いようですが、実際は、
①Grinding(グラインディング)こすり合わせること、
②Clenching(クレンチング)くいしばり、
③Tapping(タッピング)歯をカチカチあわせることの3種類があります。

上下の歯が接触している時間は食事の時間がほとんどで、一日のうちの累積は約15分と言われています。しかし、睡眠中の夜間の歯ぎしりにおいては最長90分程度接触していると言われています。日中の数倍の時間というだけでなく、夜間の歯ぎしりによって歯にかかる力は日中の数倍、又は数十倍と言われています。つまり睡眠中の歯ぎしりは歯や筋肉、顎関節などに多大な負担をかけているといえます。

3種類の歯ぎしりの中でもクレンチングは、音のならない場合がほとんどです。起床時に顎の疲れを感じたら、このタイプの歯ぎしりを疑うことが大切です。

  

歯ぎしりとは?

睡眠中、本人は無意識に歯をガリガリと擦り合わせる「歯ぎしり」。
誰もが一度は耳にしたことがあるかもしれません。歯ぎしりは寝ている間に毎晩のようにしているので、ひどい場合は、歯や歯周組織の損傷したり、全身にも悪影響を及ぼす場合があります。一緒に寝ている人に歯ぎしりを指摘されたことはありませんか?朝起きた時にあごがこわばっていたり、あごの疲労を感じる人は注意が必要です。

歯ぎしり、は口腔異常習癖の一種です。上の歯と下の歯を擦り合わせてギリギリと音を立てる「歯ぎしり」は一般的でわかりやすいのですが、ほとんど音を出さず、ぐっとかみこむ「かみしめ」や歯と歯を触れ合わせてガタガタ、カチカチと音をさせる「タッピング」と言われるものも「歯ぎしり」に含まれます。

睡眠中の「歯ぎしり」は誰にでもみられるものです。こうした歯ぎしりの動作を、普通の健康な人でも8時間の睡眠中に15分ほどしているといわれています。特に、歯ぎしりをする癖のある人たちは、平均40分にもわたっており、ひどい人では、1時間45分も歯ぎしりをする人もいるといいます。


  

歯ぎしりの危険

睡眠中の歯ぎしりの程度を筋電図で調べてみると、ガムを強くかんだときの数倍から10数倍の強さでかんでいる時が、約80%を占めていたというデータがあります。こうした強い力が継続的に加わると、歯の擦り減りが生じ、歯周組織が損傷したりするだけでなく、さまざまな悪い症状を引き起こす場合があります。

歯の周りの骨が異常に突出する外骨腫(がいこつしゅ)とよばれる症状や、あごを動かす顎関節(がくかんせつ)の痛みと共に雑音がしたり、耳鳴りが起こるといった局所的なものから、睡眠障害をおこしたり、自律神経系にも影響してくる場合もあります。 その心配の1つが、睡眠時無呼吸症との関連です。

歯ぎしりの直後に睡眠時無呼吸症が頻発することが確認されており、 これは最近突然死の一因として問題視されている症状であります。歯ぎしりは主に睡眠中に無意識に起こるので、本人は気付きにくいのですが、半年以内に家族などに2度以上歯ぎしりを指摘されたり、目覚めた時にあごのこわばりや疲労感を感じたときは、一度、歯科医で相談したほうがよいでしょう。


  

歯ぎしりの原因

歯ぎしりは、歯のかみ合わせの悪さが引き起こす場合とストレスなどの精神的なものとが原因と考えられています。継続的に起こるケースが危険なので、特にかみ合わせが問題視されます。

考えられる原因は、あご筋肉の緊張がアンバランスとなっていることが挙げられます。例えば、虫歯があって歯が痛いときや虫歯治療の金属冠の高さが不適合なとき、歯を抜いたあとほったらかしにしたりすることで、噛み合わせがおかしくなっているときは、あご筋肉の緊張がアンバランスになっているといえます。こういった理由から「歯ぎしり」が起こります。この場合、早めに歯科医に相談したほうがよいでしょう。

もうひとつの理由は、精神的、または肉体的なストレスから起こっている場合です。寝ている間に歯ぎしりすることによって、日常の不安や憂鬱を発散させているのです。噛み合わせに問題がない場合は、今ストレスをかかえていないか、よく考え、なるべくストレスを回避することが大切です。

大人だけでなく、子供も同じようにストレスが要因で 歯ぎしりをすることもあるようです。自分の子供が歯ぎしりをしたら、噛み合わせだけでなく、何かストレスに感じていることはないか考えてみましょう。

  

歯ぎしりは本人にはわからないの?

夜中、隣で寝ている人にギリギリ、ガリガリと大きな音を立てられると、たまったものではありません。
目がさめたら最後、歯ぎしりの音が気になってなかなか寝つけなくなってしまうでしょう。ところが、歯ぎしりをしている当の本人は、音をさせながらもすやすやと夢の中にいます。自分自身がギリギリ、ガリガリと立てている音なのに、なぜ気づかないのでしょうか。

それは、誰もが睡眠中は感覚器の伝達経路が遮断されているためです。普段、起きているときは、音は筋肉から脊髄を通り、脳へと伝えられます。ところが、睡眠中はこの回路が全く働かなくなってしまうのです。このことから、脳はすぐそばのあごで起こっている「歯ぎしり」の騒音を寝ている間は感知できなくなるのです。つまり、周りにいるほかの人から注意されない限り、自分自身の歯ぎしりに気づくことはほとんどないでしょう。

また、ほとんど音を発することなく、ギュッと歯を噛み締める歯ぎしりも多いようです。このような歯ぎしりは他の人に気づかれることも少ないので、もしかすると、あなたも歯ぎしり常習犯かもしれないのです。

  

歯ぎしりの影響

知らない間に歯ぎしりをすることによって、歯やあごに大きな負担がかかってしまいます。歯をぐっと食いしばっただけでも、おどろくことに自分の体重程度の負荷がかかるといわれています。それを前後左右にギリギリ、ガリガリと歯を動かせば、ダメージは計り知れず大きいのです。

一晩中歯ぎしりをしたとすると、なんと一生分のそしゃくに匹敵するとまでいわれています。もちろん、一晩中歯ぎしりをするということはありえませんが、一晩で30分以上続いているようなら、悪影響が及んでいる可能性が高いでしょう。

歯ぎしりによる二次障害は次のようなものがあります。 歯が擦り減る、歯周組織が損傷する、外骨腫が起こる、などの歯のダメージです。外骨腫とは歯の周りの骨が異常に突出する病気です。また、あごを動かすと痛みを感じる顎関節症もあります。その他、耳鳴りがする、熟睡できないなど自律神経失調症による、体の異変があらわれる場合があります。

もっとも気をつけたいのは、睡眠時無呼吸症候群と関連が深い点です。眠っている間に呼吸が停止し、その結果脳が酸欠状態となり、突然死を引き起こすこともあるのです。


  

子供の歯ぎしり

大人と同じように子供も歯ぎしりがみられます。しかし、子供が歯ぎしりを起こす原因は、大人とは異なった子供特有の原因があります。
子供の場合、二つの要因から歯ぎしりが起こると考えられています。

一つには、成長反応の一種であるといわれています。子供の歯の成長のために、歯ぎしりは必要なことで、赤ちゃんや幼児などの小さい子供は、歯ぎしりによって上あごを鍛えているのです。
また、赤ちゃんや幼児に限らずとも、10歳以下の子供の場合も、乳歯と永久歯の生え変わりの時期に、歯ぎしりをすることが多くみられます。具体的に、歯ぎしりをする子供は3割近くいるとのデータがあります。

しかし、子供が大きくなり、ある程度の年齢になっても、頻繁に歯ぎしりをするようだと注意が必要です。大人と同じように、ストレスを溜め込んでいるために歯ぎしりをしている場合もあります。また、虫歯や噛み合せに問題があって歯ぎしりをしている要因も考えられるからです。

子供の歯ぎしりの原因がわからず、心配な場合は歯科医に相談したほうが良いでしょう。


  

歯ぎしりの治療法

一般的な歯ぎしりの治療法としては、マウスピースやプレートなど防止装置を着用し、歯の磨耗や睡眠中の騒音を防ぐことができます。
個人の歯型に合わせて製作しなければなりませんが、割と安価で手間や時間もかからず、家族など周囲に迷惑をかけることもなるなりますので、満足できる治療方法といえるでしょう。薬局などで手軽に購入できるマウスピースも種類が豊富にあります。

また、基本的で有効な噛み合わせ治療です。歯科で治療を受けます。磨り減った歯や不具合な噛み合わせを元に戻すことで歯ぎしりを止めることができます。しかし、乱れていた噛みあわせを正しくさせながら時間をかけて治療することが大切です。単に歯を削るだけではうまくいきません。

歯ぎしり矯正」と言われる治療法は、完治、改善させることを目的とした方法です。歯に負担をかけない装置と噛みあわせ治療を併用し、症状抑え、完治を目指します。治療後は80%以上症状がよくなるなど極めて高い効果を発揮します。
歯ぎしりが気になったら、なるべく歯科医と相談し、自分にあった治療法を探すことが大切です。

  

歯ぎしり予防のマウスピース

歯ぎしり予防として手軽に使用できるのが、マウスピースです。

歯ぎしりは主に睡眠中に行われるので、歯軋りで歯を削られるのを防ぐため、上下の歯が擦られないように、夜間マウスピースを装着します。しかし、マウスピースをつけて寝ると違和感のため、結局はずしてしまう人がほとんどなのが現状です。
違和感が強くてどうしようもないという時は、マウスピースの調整をすることである程度は改善されるかもしれませんが、基本的には慣れるしかないようです。我慢して装着して睡眠しても、無意識のうちにはずしてしまっていたというケースが多いのかもしれません。

歯科医で自分専用のマウスピースを作ってもらうことが一番よいのですが、忙しくて今すぐ歯医者に行くことができない、という人が、とりあえず使用するには便利な市販で売られているマウスピースも豊富にあります。一番メジャーといっていいのは「歯ぎしりくん」という商品です。お値段は4千円くらいで薬店で売られています。2~3ヶ月間は使用できるようです。他にも色々な市販品がありますので、薬店で調べてみるとよいでしょう。

 

歯ぎしりは3タイプ

歯ぎしりの仕方は3タイプに分かれます。

一つは、上下の歯を擦り合わせる一般的によく考えられる歯ぎしりです。下の顎が左右にすばやく動いた状態を繰り返します。音は「ギリギリ」と出ます。この動きは起きていて意識があるときに動かそうと思っても、再現するのは難しく、無意識に早く、大きく動かしている人が多くみられます。

二つめに、上下の歯をぶつけあうタイプの歯ぎしりです。下の顎が上下にすばやく動く状態を繰り返すため、「カチカチ」「カンカン」といった音が出ます。軽くカチカチ当てる人から強く歯を当てる人まで様々です。

三つめに上下の歯を強くかみ締めるタイプです。上下の歯を力を入れてぎゅっと強く噛みしめた状態で睡眠しています。顎に大きな力が入っていますが、音はほとんどしません。自分の体重ほどの力で無意識に咬む人もいます。

この3タイプの歯ぎしりを全部する人もいますし、人によって様々です。いづれにせよ、歯ぎしりは歯や体の健康にとってあまりいいものではありません。もしまわりに歯ぎしりが心配な人がいたら指摘してあげることが大切です。


  

歯ぎしりによって生ずる問題

歯ぎしりによって、顎関節症、骸骨腫などの病気だけでなく、具体的に軽度のものでもどんな問題が生じているのでしょうか。

ひとつには歯周病があります。歯と歯肉の間に汚れが溜まったままで、歯ぎしりを繰り返していると歯周病がひどくなるのです。また、歯並びが悪くなり、出っ歯ぎみになったという例もあるようです。擦り合わせる動きを繰り返すと、歯が全体的に外側に拡がるように動いてしまうのです。

他にも、歯がグラグラになることがあります。歯ぎしりがあっても全ての歯が急にグラグラになってしまうことはめったにありませんが、歯ぎしり中に当たっている歯の本数が少なく、数本に集中している場合、その歯が力を強く受けグラついてくることがあります。

また、知覚過敏症になることもあります。歯ぎしりが繰り返されると、歯の根元が磨り減ったようにえぐれてくることがあり、そのため水などがしみるという知覚過敏が起こるのです。

虫歯治療の被せものや金属が取れやすくなることも多くあります。毎日のように繰り返される歯ぎしりの衝撃のため、被せものの一部が欠けてしまったり、詰めている金属などが外れやすくなります。寝ている間に詰め物がとれてしまったという経験のある人は、歯ぎしりによってとれたと考えてよいかもしれません。


  

知覚過敏と歯ぎしり

知覚過敏とは、虫歯になっていない歯が、冷たい水や甘いものなどを口に含んだ時、歯ブラシでふれた時に感じるくる痛みをいいます。

この知覚過敏の原因として一番多く見られるのが、就寝時の食いしばり(歯ぎしり)によるものです。
睡眠中、無意識による夜間の歯ぎしりやくいしばりは驚くほど歯にダメージをあたえています。通常起きていいる時に食事するときの数倍、時には数十倍のもの力でこすり合わせるので、歯の表面が著しく磨耗したり、ヒビがはいったり、時にはかけることもあります。また、歯の付け根の部分がえぐれた状態になることもあります。そういう状態になると、虫歯になっていない歯でもちょっとした刺激で痛みを伴い、知覚過敏となってしまうのです。

歯のなかには毛細血管や知覚神経が無数に存在しています。これらが、歯ぎしりによって過度の刺激を受けると血管は充血し神経は敏感になり、これが知覚過敏です。
知覚過敏の治療は軽度のものであれば、薬の塗布などの治療で治ります。中度になると、就寝中にマウスピースを装着することが必要です。重度になると歯の神経をとる処置が必要になってしまいます。